明治時代に舘山寺を再興した、当寺の本寺である秋葉寺(しゅうようじ)[静岡県浜松市天竜区春野町]と秋葉山信仰の中心であり当寺でも鎮守として祀られている秋葉三尺坊大権現について簡単にご説明させていただきます。
■苦行の末 神となった形僧三尺坊
宝亀9年(778年)信州戸隠で生まれた三尺坊は周国(かねくに)と名付けられた。4歳の時に越後蔵王権現に修行に出か けたほどの神童であり、26歳のとき蔵王権現堂の十二坊のうちの一つを三尺坊と名付けそこに住んで精進を重ねた。(これが三尺坊の由 来)27歳のとき荒行満願の夜に法力により迦楼羅天(かるらてん)に神変した。
鳥形両翼にして左右に剣索をもった観音菩薩の 33姿の一つ梵名をガルーダ、金翔鳥ともいわれている。
■火伏せる神さま 秋葉三尺坊大権現
神変した三尺坊の元に白狐が現れ、それに乗って大同4年(809年)に秋葉山に舞い 降りました。以降秋葉山で入寂する永仁2年(1294年)まで450年以上の長きにわたり諸国を遊行して人々を救ったと伝えられていま す。(当寺の本寺の秋葉寺は三尺坊が舞い降りた地に建てられたものです)大火から人々を救った伝承が多かったこともあり、人々に「火伏せ の神さま」と信仰されるようになりました。
■天狗伝説
上記のように、鳥のようなくちばしや羽をもち、空を飛び神通力を使うことから、古来からの天狗と融合し、各地で三尺坊=天狗という認識が浸透していきました。各地の天狗の伝承に、良い天狗と悪い天狗があるのは、善行(三尺坊の化身) 悪行(妖怪)が混在しているからだと思います。当寺に寄贈され保管されている「天狗扁額」も秋葉山と天狗の結びつきによって描かれたものです。
■秋葉信仰
火伏の神さまとして知られるようになった秋葉山は、江戸時代お伊勢参りと人気を2分するほどに人々の信仰を集めます。各地で伝承される天狗の伝説や実在した日本人であったことも一因と考えられますが、各地の城下町が発展し住宅が密集したことから火事に対する恐れが非常に大きな不安となったことが一番大きかったのではないでしょうか。各地にある秋葉という名称の由来は、この秋葉信仰の影響によるものが数多くあります。(東京の秋葉原など)
火祭り
毎年12月15日に火防鎮護の祭典として本寺に習い当寺でも行われている。火によって心身を浄化するという弘法大師直伝の故事にちなみ、火の上を素足で歩く、火防、心願成就、無病息災を祈願するお祭り。
本堂にて火防鎮護の読経が行われ、その後外で火渡りが行われる。行者により護摩木に火がつけられ、燃え落ちた護摩木の上を行者が素足で火渡りを行う。一般参列者は、炭火が黒ずんできたころに素足で渡ります。
火祭りに関する詳細は毎年11月下旬頃に決定します。直接お問い合わせ下さい。
毎年12月15日に火防鎮護の祭典として本寺に習い当寺でも行われている。火によって心身を浄化するという弘法大師直伝の故事にちなみ、火の上を素足で歩く、火防、心願成就、無病息災を祈願するお祭り。
本堂にて火防鎮護の読経が行われ、その後外で火渡りが行われる。行者により護摩木に火がつけられ、燃え落ちた護摩木の上を行者が素足で火渡りを行う。一般参列者は、炭火が黒ずんできたころに素足で渡ります。
火祭りに関する詳細は毎年11月下旬頃に決定します。直接お問い合わせ下さい。